木本 桂春
西新山は、富山市の八尾町桐谷の久婦川源流にある。八尾町は越中おわら節で全国的に知られるところである。
今年冬に富山県の一・二等三角点を調べてみると全座で75座あり、その登った数を数えてみると40座は登っていた。残り35座は1600m以下の低山に属するものがほとんどで、富山県の西部の石川、岐阜県境付近に多かった。
それならばと3月に探索を開始し、9月には富山県最南端の岐阜県境、北ソウレ山(1555m)に登り、全座の探索に王手をかけた。王手の山が西新山である。
10月初めに山の偵察に出かけた。源流部深くまで車も入り、取付き点を確認してきた。道のない山は老人の足では山中一泊と思っていたが日帰りが可能のようである。
今年の雪は遅いものの、黒部奥山から雪が下り、平野にも雪はすぐそこだ。天気をみると、11月13日が日帰りできる最後の日と直感で思い決行した。
相棒の初老の仲間を誘い込み、早朝5時、暗がりの高速道路を走り、八尾町桐谷から久婦川源流部へ進む。林道に車を置き、取付き点の大亦峠へ登る。ここから頂上まで2kmの登山で道は無い。藪潜りを開始する。
気持ちの良い青空のもと黙々と藪潜りを続ける。
標高900m付近で杉林に合流する。紅いペイントがでてくるなど、ルート探しが楽になる。
杉林を登る
山毛欅(ぶな)林となる1000m付近、下草の竹藪を掻き分ける。
10時過ぎ、平らな頂上付近に到達し三角点を探す。目印のテープもなく、文明の利器GPSで探索を開始する。
10時36分、二等三角点を探し当てる。三角点名は「大亦」。山名「西新山(標高:1110.2m)」の頂上に立つ。
頂上の老人
令和元年の文明の利器と明治36年の二等三角点
青空に気分も最高
うれしい登頂だった。飛騨の山々も笑ってくれた。
下山中になめこも取れて妻への土産となった。