駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

ウラヤマ散策・黒部川の下流歩き

木本 桂春      
 3月下旬ごろから黒部川を河口から上流に向かって歩いている。
 その昔、黒部川の河口から1週間かけて、下の廊下・中の廊下(すでに黒四ダム湖の下にあり)・上の廊下から源流の鷲羽岳に達したこともあった。
 衣食住に登攀用具を担いだ登山であったが、今は川の両側の道を車にはねられないように注意して歩いている。
 天気を見ながら、3回に分けて、河口から15㎞で黒部川扇状地の愛本に着く。さらに3㎞ほどで音沢集落に達した。 

 4月16日曇、寒い日だ。午後2時半ごろか音沢集落から右岸県道を歩く。
 誰も歩いている人などはいない。時々、車が通るだけだ。

f:id:komafun:20200423195103j:plain前方に宇奈月温泉スキー場が見える。10年以上前くらいから雪不足でスキー場が開かない。今年はもちろん雪が極小だった、尾根上の観音立像が黒部峡谷を見下ろしている。

f:id:komafun:20200423195128j:plain宇奈月温泉の近くの河川敷、右下に中洲が見えてくる、ここは江戸時代の頃、馬寄と言われ、馬の放牧地と馬の渡渉訓練場として加賀藩に利用されていた。

f:id:komafun:20200423195150j:plain左岸に向かうと温泉街だが、右岸の長いトンネルを抜けると満開の桜が迎えてくれる。

f:id:komafun:20200423195221j:plain対岸には温泉街の旅館やホテルが元気のない姿を見せている。コロナは致命的な損害を与えているようだ。峡谷鉄道のトロッコ電車も運転休止。

f:id:komafun:20200423195239j:plain右岸に沿う、人専用のトンネルを抜けてさらに上流へ

f:id:komafun:20200423195301j:plain宇奈月ダムが見えてくる。奥に残雪の山が見える。右手方向に越中駒ヶ岳があり、尾根が黒部の渓谷に落ち込む。

f:id:komafun:20200423195517j:plainダムを渡りさらに上流に向かう。北駒ヶ岳から落ち込む尾根、春の木々が天に伸びている。

f:id:komafun:20200423195542j:plain橡の湯温泉は開いていなかった、上から若い娘さんが歩いて降りてきた。今日歩いていたたった一人だった。温泉の上は尾沼谷でこの源頭は北駒ヶ岳に達している。雪どけ水が轟音を上げて春を告げている。

f:id:komafun:20200423195603j:plain午後5時、来た道を戻る。ダムから右岸上部に見える馬瀬山

f:id:komafun:20200423195622j:plainカモシカが怪訝そうに老人を見ている。今年の冬は雪が少なく食べ物が多かったのだろうか、肉付きがいい。

f:id:komafun:20200423195640j:plain猿を見る。アザミの新芽をわき目もふらずに食べていた。
    
黒部の渓谷の風は冷たい。
身体を温めるため頑張る。3時間・15㎞を散策。