木本 桂春
6月17日、朝日岳を蓮華温泉側から偵察してみることにしたが、林道工事中で温泉まで通行止めのため、急遽、大町の扇沢から柏原新道を爺ヶ岳に登ることにした。
16日午後、車で大町へ向かう。扇沢への道は立山アルペンルートが新型コロナウィルスの影響で閉鎖されているため、車の姿もなく、登山口の駐車場に車を止める。
ここもコロナの影響で看板に出鼻をくじかれる。
夕方の針ノ谷方面はいい夕暮れだ。
車外で夕食し、車中泊。
2時起床。
3時、ヘッドランプの明かりで出発。暗がりの足元にはしっかりした山道が続く。扇沢の駐車場の灯りを左に見る。間もなく、右に大町市街の灯りが見えた。
4時を回ると夜明けが始まり、しばらくしてランプを消す。
5時20分、ケルンの標識が現れる。
扇沢の上部に種池小屋がかすむ。
道の両サイドに雪解け後の花々が顔を出す。
なんとかつつじ?
シラネアオイ
6時、相棒の一人が右額を虫に刺され頭がぐらつくという。軟弱なことを言うので下って休ませることにして下山させる。
道は勾配も落ちて楽になる。標高2000mを越えると堅雪が道に出てくる。キックステップで進んだ。
2100mからは扇沢上部を左に回り込む。上部を見ると急峻な雪渓のトラバースがある。1本目はあっさりわたるが見上げると2・3本目は手ごわい。アイゼンとピッケルはあるが、相棒の老婆に「どうだ」と聞くと首を横に振る。これを聞いて老爺は「下山」を決める。
7時半、種池小屋までは40分くらいだろう。少し惜しい気がした。
老婆と老爺は夏の花を見ながら下る。コイワカガミ、ショウジョウバカマ、ヒメイチゲなど澤山の花々。休むことのない下り坂に足をもつれさせて下山する。
イワナシ
10時半、虫刺されした相棒が元気に迎えてくれた。
今年の夏山は小屋、テント場などの情報を念入りに調べて入山した方がよいと思われる。