北村 健治
秋から冬の庭を彩る果実であるが、真冬になるとヒヨドリがほとんど食べてしまう。
オモト:ユリ科オモト属。太い根茎が目だつ耐寒性の常緑多年草。
東北地方南部から沖縄まで、中国にも分布し、暖温帯林の林床に散生。万年青とも書く。栽培史は室町時代にさかのぼり、江戸時代には葉変わり品種なども出現し、以来数十万の愛好家がいて、日本万年青連合会も存在する。8mmほどの液果実が房状に付き、晩秋に赤くなる。薩摩万年青を代表に百数十品種も知られている。根茎が薬効を持ち、強心・利尿剤。
ユズ:柚子・柚とも書き、中国では香橙という。長江上流が原産地。半島経由で古代に持ち込まれた。暑熱に弱く耐寒性のある常緑樹。日本の代表的な調味用柑橘類。日本以外では栽培されないとか? オオユズ・ユズ・オニユズ・ハナユズなどの品種がある。クエン酸を多く含み、保湿効果が大きいので、化粧水として愛用される。浴剤とすると浴槽の清掃にも効果がある。近縁種が多い。
赤実ナンテン:白実ナンテン(白黄色である)もある。メギ科ナンテン属。常緑で株立ち性の小低木。葉が3〜4回羽状の複葉で栄えることの縁起木として生垣・庭木として日本人に好まれ栽培される。薬効が広く、果実は器官系に、樹皮や根皮は内臓、眼病などに活用される。日本では中部以西に自生し、中国中央部に自生が知られる。1属1種のみでナンテン科とする説もある。