駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

三角点の「基本」の文字は何?

平井 英明
 5月8日の仲さんの報告「お参り・登る・食べる3点セットの山 水沢山に登った記録です」の中に、「水沢山頂上の新しい御影石の三角点は三等でした。「基本」と彫って有りましたが何の基本なのか?」との注記があり、さらに写真キャプションで「三等三角点 基本?初めて見ました」とありました。

仲さんの写真(水沢山の三等三角点)
 今回はこの「基本」について簡単に説明します。
 ちょっと堅苦しいですが、測量法という昭和24年に制定された法律があります。この法律に基づいて、国内の大半の測量は実施されていますが、測量法第四条において「基本測量」とは、すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院の行うものをいう。と規定し、第五条で「公共測量とは」について述べています。
 そして、測量法施行規則の中で「柱石は、その側面がそれぞれ東西南北に面するように設置し、東面には「基本」又は「公共」の文字を、西面には「国土地理院」若しくは「国地院」の文字又は当該測量計画機関の名称若しくは略称を表示する文字を、南面には標石の種類を、北面には標石の番号をそれぞれ記入する。」としています。
 つまり、三角点に彫られている「基本」は国土地理院が行った測量で設置した三角点であるということを表わしています。


 なお、水沢山の三等三角点は明治時代に設置されていますので、通常では「基本」の文字は彫られていません。それは測量法制定以前にはそのような規定がなかったからです。何らかの理由で新しい標石に交換されたため、「基本」の文字があるものと思います。 

 国土地理院の「地図と測量の科学館」のこれまでの企画展の案内の中に、「一等三角点物語」があります(下欄のURL)ので参考にしてください。

https://www.gsi.go.jp/MUSEUM/SOUGO/kohokocho2021_00003.html