駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

最北の駒と馬の山に登る(その2・馬追山)

木本 桂春

 6月26日、北海道の夜明けは早い。
 3時には宿の前に高々700mのピンネシリ山が仰角で見えた。
 早々に出発。旭川動物園に向かう。朝から子供連れ、老人など大勢の人出だ。太陽が照り付ける。アザラシ、ペンギン、ライオン、虎、熊などを見ると暑さに日陰で休み。
 人間動物を鑑賞。午後には退園し、次の宿泊地・長沼町へ移動。この温泉も人が多かった。

 6月27日 3時起床。4時発、小雨降る。馬追山に向かう、前日に聞きこんでいたが登山口が見つけられず苦戦。
 牧場はあるが聞きこむ人もいない。右往左往して車のナビに助けられて、登山口の馬追の名水へ着く。
 出発4時40分。

馬追の名水、右手に登山口
 歩き出したとたんに土砂振りの雨となる。ズックはたちまち水浸しとなった。こんな雨の中を歩くのは久々だが、温かい北の雨。

平坦な道が原生林の中を抜けていく。

途中でトンネルを潜る
 徐々に雨も上がり、多くの小鳥たちが鳴き始めた。
 本州では聞けない鳴き声もあった。

林道を横断し、急坂を登ると頂上「「瀞台(しずかだい)」であった。

一等三角点

 6時着。頂上には標識・天測点第1号・一等三角点などがある。
 点名:馬追山(まおいやま)
 標高:272.7m・一等三角点・明治33年設置 
 この山は北海道開拓の原点。
 石狩平野、夕張炭鉱等の農工業発展に貢献した基準点であったのだろう。
 雨もやんでかすかに石狩・夕張方面を見ることが出来た。当時の開拓には輸送手段の力は馬であり、この産地の馬がしのばれる。馬は日本の産業の発展、戦地への輸送など日本の国力増進に寄与したが、今は競走馬にしか見ることがない。

晴れ間に見えた石狩平野
 6時15分下山。駐車場に7時着。温泉に入り、朝食。
 大都会の札幌へ。田舎の老人はただ驚くばかりの大地も人も輝いていた。大通り公園に寄り「花のフェステバル」で北に咲く色鮮やかな花々を見た。

北の花々
 この後、小樽港に出て、フェリーに乗る。船の中で田口さんと酒を飲みながら話す。
 年末には最南端の指宿に近い「女駒ヶ岳」に行くことにした。
 田口さんの知力・行動力・酒力に学ぶことが多い山行だった。
      
 6月28日 新潟港着、9時。下船後、田口さんを新潟駅まで送り、帰宅。