駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

栂海新道(朝日岳―白鳥山)を歩く

木本 桂春
 今年の夏の目標であった朝日岳から白鳥山の縦走をしてきた。
 その昔、この周辺の山をホームグランドとして駆け歩いた。
 60代前半までは朝日岳から親不知の日本海まで1日で抜けることが当たり前であったが、最近では1000m前後の低山しか歩かないので、すこしきつめの山登りトレーニングをして、事前に中間点の犬ヶ岳・栂海山荘へ食料の荷揚げを実施、準備した。
 8月2日、老人(70-79歳)4名。北又谷小屋を5時発。イブリ尾根から朝日小屋を目指す。
 山毛欅の巨木の間を縫う道はつらい。幸い木々が太陽を遮ってくれる。
 7時半、山毛欅平。木々の間からの陽射しが強い中を進む。
 10時、イブリ山着。2000m付近はガスがかかっていた。
 イブリ山を下り、登り返して鎖場を越え、朝日平へ向かう爽やかな草原の中の木道を行く。

チングルマ
 山の花々が沢山現れる。ニッコウキスゲタテヤマリンドウ、キンコウカなどの花々をカメラに収めた。

タテヤマリンドウとコバイケソウ
 霧の中を12時前に朝日小屋に着く。
 すこし人の集まる所は検温にマスク等コロナ対策は下界と変わらない。
 明日に備えて午後は休養した。天気は徐々に悪くなる。

 8月3日、3時起床、軽食をとり、4時出発。濃いガスでヤッケを着ける。
 5時、明るくなる、足元は今日も百花繚乱の花咲く稜線歩きが続く。
     

ハクサンコザクラ

タカネツメクサ

ハクサンシャジン
 

朝日岳はガスの中で風が冷たい。5時半、新道に向かう。
 

6時、蓮華温泉と長栂山への分岐。
 栂の森を抜けて、照葉の池周辺は小雨で見通しが聞かず。
 7時、長栂山。雨風強く、ひたすら下る。樹林帯の中は風がしのげていい具合に下る。
 

長栂山付近のイワオオギ、マツムシソウなど
 ここを抜けるとアヤメ平入り口着。
 7時20分、草原の中の小径はここも花の世界だ。

アヤメと花々

アヤメ平から黒岩平キスゲ咲く木道
 アヤメから黒岩平の草原を4時間かけて歩く。
           

黒岩平の出口
 黒岩山11時、此処からは稜線上を歩く。
 

12時、黒岩山と犬ヶ岳の中間さわがに山。
 ここから30分下降。
 最低鞍部付近1520m。小滝側が崩壊し北又側に道が付いている。道は雑であるが危険はない。
  

犬ヶ岳への登りは風と雨で体が振られることもあった。
 

雨の栂海山荘15時着。
 荷揚げしてあった食料を頂く、冷えた体に汁粉が旨い。

 8月4日、3時起床。
 雨が激しく屋根を打つ。明るくなった5時、雨の中を出る。
 雨は間もなく小降りになり、上る。
 黄連の水場で水を補給、難関の菊石山と下駒ヶ岳を越える。

駒ヶ岳の北谷崩れから見た黄連山と犬ヶ岳
 高度が1200m付近は陽が出ると暑くなる。
 12時前に白鳥山山頂小屋着。
 再び大粒の雨がやって来た。山姥ルートを下るので楽だ。
 鼓滝の上で仲間の出迎えを受け下山。
 夏の目標であったルートを歩くことが出来た。
 山は正面から向き合えば希望をかなえてくれた。