駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

雲ノ平・黒部川源流を訪ねて(その3) 

仲 徳治
3日目(8月21日) 雲ノ平・雲ノ平山荘~双六小屋へ 晴れ
 6:00出発。先ずはスイス庭園の木道の緩い坂道を進みます。広々とした湿性台地草原、チングルマの綿毛が点在。石ころは恐らく火山の噴火の名残と思われます。
 小さい葉はイワイチョウ、大きな葉はコバイケイケイソウの花が終わった宴のあと。まもなく高天原への分岐。道端の白い5弁花ウメバチソウ。この辺りから祖父沢を巻くようになります。柱状節理の岩肌と紫のミヤマリンドウを見乍ら、這松帯を登り切ると祖父岳分岐に出ました。祖父岳裾野は草が生い茂り、ピンクの花がありましたベニバナイチヤクソウでした。草原ばかりでなくガレ場も緑の島も有りの箱庭景色です。
 祖父岳を回り込むこの辺り、南西側斜面に広がる池塘や這松が点在する美しい草原地帯が日本庭園です。本格的に下りに差し掛かると正面の黒部川を挟んで三俣蓮華岳が見えてきます。やがて眼下に黒部川源流が1本の筋で見えてきました。正面に三俣山荘その先に硫黄山脈の荒々しい山肌、緑の山肌と較べて異常に見えます。道端の黄色い花シナノオトギリ(信濃弟切)と書きますが可愛い花です。
 1本の川筋、頂点が「岩苔乗越」であの直下が黒部川の始まりと思います。黒部川は左から右にロープに伝わって横断します。此処が一番の難所。今日は昨日の雨で水が少々多いようです。徒渉が終わると此処から三俣山荘迄登り返し。黒部川水源地標、この登りもかなり石ころが有りましたが道が乾いており視界が広く明るい登山路でした。
 三俣山荘の脇の分岐点の少し上がったキャンプ地の有る広場で北東正面に聳える鷲羽岳を見乍ら昼食。昼食後、樹林帯の中の道を暫く登って行きます。抜けると草原の登山道、右手に見える三俣蓮華岳が間近。正面の黄色の標識は三俣蓮華岳への標識。この辺り標高2750m今回の山旅の最高点です。巻き道を進みます。硫黄尾根の先に北鎌尾根から連なる槍ガ岳が眼に入ります。此処から先、双六岳を西に見乍ら裾野を下がっていきます。裾野を歩き乍ら双六岳を見ると一帯はカール状になっております。ハクサンフウロ、体の割に花弁は大きく先ずはピンクが目立ちます。振り向くと双六岳がもうかなり後ろ。双六岳への分岐に到達しました。下に双六小屋が見えました。意外に大きいです。
 15:06双六小屋到着。今日は終日穏やかな山歩日よりに恵まれ、雲ノ平から黒部川の源流を左右キョロキョロ充実した1日でした。

白 シラネニンジン 小さい葉はイワイチョウ
大きな葉はコバイケイケイソウ花の終わった跡

左 祖父岳 下は草紅葉の草原

湿地草原一帯が日本庭園

黒部川の源流が1本の筋で見えます

岩苔乗越 黒部川の始まり

黒部川源流渡り ロープに沿って左から右へ伝わって横断します。

キャンプ地で昼食 背後は鷲羽岳

硫黄岳、異様な山容 右端槍ガ岳

三俣蓮華岳  今回は巻き道を行きます
 

双六岳のカール状 裾野歩き

背後は双六岳