駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

低山徘徊-消えた山村を探るー

木本 桂春

 富山、新潟県境を境川が流れる。川沿いの大平集落から分岐して上路川をたどる。この地は往古からの謡曲「山姥」の舞台となった。
 源流には白鳥山があり、下駒ヶ岳から上駒ヶ岳(白馬岳)へと連なる。
 3月25日、今日は大平集落と上路集落の中間にあった荒沢集落とその上の山を探訪した。

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荒沢集落の入口から見た大平集落の上大鷲山方面
  
 荒沢集落は昭和41年まで7軒の家があり、生活を営んでいた。その後、次々と離村し、集落は自然の中に解け、十二社の神社跡が残るのみとなった。

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288段の階段入り口の狛犬から見た集落の跡。今も狛犬が見つめている

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最上部の神社はないが、石の祠が残っている

 神社の背後から尾根に取付き、山から日本海の市振に抜ける峠428mを目指す。距離は2kmに満たない、藪もなく、苦も無く登れると思った。ところが、行く手にはサルイバラがはびこり、その通過に参った。

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藪が時々切れると背後に初雪山

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足下に岩団扇

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尾根上に達すると眼下に日本海
 
 最後のサルイバラの抵抗を越えて、頂上、三等三角点、点名:峠、明治40年造標、標高428m。かつてはこの峠を越えた人々がいた。

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三等三角点の標識   
 
 天気は良いが、冷たい風が吹いていた。それでも春は着実に来ている。
日本の山村はあちこちで人がいなくなり、自然に還っている。