駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

春山の1週間

木本 桂春   
 なんと騒がしい日々が続いています。
 北陸の老残のこの一週間の山歩きを報告します。

 3月18日晴、早月川の上流へ剱岳を仰ぎに出かける。
 魚津市から早月川の上流の伊折部落まで車で入る。

f:id:komafun:20200327220750j:plain部落の入り口にある白萩中学伊折分校の校舎の一部
 

 1962年3月、この校舎の左隅の一角を借り、ここを拠点として剱岳登山の拠点、馬場島へ150㎏の荷を担ぎ上げたこともありました。今はこの集落には誰もいません。
 ここに車置き、馬場島への3時間、長靴の散歩をする。
 早月川左岸の林道を1時間前方に剣岳が見えてくる。小窓尾根、剱尾根、本峰には若き頃に胸が熱くなった思いがこみ上げる。さらに上流へ左の白い山は赤谷山、白萩の頭、白ハギ、大窓、池の平山。尾根に隠れていますが小窓、三ノ窓と続く。

f:id:komafun:20200327220859j:plain剱岳山頂と早月尾根・剱尾根

f:id:komafun:20200327221314j:plain剱岳山頂
 1時間40分。大日岳から流れる小又川が右から合流する。
 鉄橋の上に大猫の白いピークが見えます。猫又山から赤谷山、剱岳へ縦走したことがあります。遠い昔の事です。
 鉄橋を渡るとゾロメキと呼ばれるところに発電所と神社があります。

f:id:komafun:20200327221120j:plain鉄橋

f:id:komafun:20200327221045j:plainこれは電力会社と営林署が作ったものです
 ゾロメキの地名は、柳田国男「地名の研究」/地名の話しの冒頭部分に「ドウメキ、ザワメキ、ガラメキなどはもと水の音を形容した地名であるが、瀬の早い河の岸にある部落または田畑で百目木(どうめき)、澤目(さわめ)木(き)などと云う例はいくらでもある。」又、八尾町町史の神通川のゾロメキつまりドンドコの流音から来ているという説が見当たる。
 神社から30分、疲れ果て、馬場島公園にある山友の慰霊碑まで行けず、此処で友に黙とうして帰る。

 

 3月21日晴、糸魚川駒ヶ岳山麓の戸倉山へ
 雪が少なく、駒ヶ岳山麓シーサイドバレースキー場はオープンしなかったと聞いていたので様子を見に出かける。

f:id:komafun:20200327221206j:plainスキー場から車で10分の大久保地区から見た駒ヶ岳です
     
 雪も少なく、氷瀑も今年は貧弱だったそうです。大久保のすぐ上で車を置き、雪上の人になります。雪はクラストしていて、長靴を鳴らして快適な歩きで頂上へ。
 そこには先行の方がいます。天気が良いのですが、上駒ヶ岳方面は霞で見えません。すぐに踵を返して下山しました。

f:id:komafun:20200327221428j:plain戸倉山から上駒ヶ岳岳方面を見る

 3月26日晴、我が町の最高峰・負釣山へ
 天気は、絶好です。黒部奥山の全山がすっきりと見渡せます。天候が良くてもすっきりという景色は年に何回あろうか。
雪の無い道を進む。

f:id:komafun:20200327221500j:plain3合目付近の陽だまりに咲く「イワウチワ」

f:id:komafun:20200327221521j:plain7合目から海抜八千尺の朝日岳を見る。まだ雪と氷の世界だ。
 8合目から最後の登り200m程の雪稜は久々にピッケルを使って登る。

f:id:komafun:20200327221633j:plain頂上からの越中駒ヶ岳剱岳。駒形にはまだ早い。

f:id:komafun:20200327221812j:plain頂上からは黒部川扇状地富山湾能登半島の先端まで見える。

 下山していくと老人たち6人に出会う。
 年頃は若干私より若いだろうが、平日に歩くのは年金生活者だろう。
 コロナウィルスでの制限は老人ホームへの出入り禁止、図書館の椅子の撤去などが身近な出来事。都会の情報を見ていると都会へは行けないなと思うくらいだ。
 不自由は感じないが、なんだか寂しいね。体力を維持して、じっとコロナの鎮静を待つ。