北村 健治
秋・冬になると、公園や垣根の花木には、いろいろな果実を観察することができる。
ソヨゴ:モチノキ科モチノキ属に分類され、雌雄異株で、中部・西日本・台湾に分布する小低木。晩秋から冬になると小枝の先に数㎝の柄の先に数mmの赤い果実が垂れ下がってつく、人気のある常緑庭木である。
ツリバナ:ニシキギ科ニシキギ属で、葉の大きなオオツリバナもあり、日本中国に分布。ニシキギ、マユミなどと同じ仲間で、里山から中高山まで広く分布する中高木。若芽は食用に、目立たない花で紅葉、秋の果実など鑑賞植物としてよく知られ、細工用材、樹皮は薬用としても使われる。
ネズミモチ:モクセイ科イボタノキ属に分類される。果実の形や色がネズミの糞に似ているのでこの和名が付いた。タマツバキの別名がある。東アジアの沿岸暖地に生える常緑中高木で、カラスやヒヨドリが好み、いたるところに実生が生える。公害に強く、高速道土手や公園垣根に植栽されるが、少し大きなトウネズミモチとよく似ている。葉や果実は薬用(強壮ほか)になる。