駒ヶ岳ファンクラブ

「駒ヶ岳ファンクラブ」は、日本各地の駒ヶ岳の豊かな自然を愛し、駒ヶ岳山麓の人と交流し、その山麓の文化に親しみ、日本各地の駒ヶ岳に登る」を目的とした会員からなる団体です。

6月の秋田駒

伊達樹里(文)・田川由美子(写真)
 17日(土)11時ごろ国見温泉森山荘に到着。生方さん、田川さん、伊達の3名です。
 風が強く、視界もきかないので、部屋に通してもらってお昼を食べながら待機。
 少し風が弱くなってから、明日のコースの下見に出ました。風のため引き返してくる人も多く、道中ほとんど人出なし。

国見温泉 森山荘
 登山口から登りはじめると、すぐに、ニッコウキスゲウラジロヨウラク、などの花々が歓迎してくれました。登るにつれて花は増える一方で、イワカガミ、マイヅルソウ、イワハゼ、ツマトリソウ、ハクサンチドリ、ゴゼンタチバナ、タカネスミレ、ミヤマハンショウヅル、などとても盛沢山で圧倒されるようです。

イワカガミ

写真内へのキャプションの入れ方を生方さんに教わりました

 道はぬかるんで、周りは見えないものの、沢山の花のおかげで、満足感で、宿に戻りました。
 森山荘は、気持ちの良い落ち着いた山の宿です。
 湯の華いっぱいの緑色の温泉です。宿の壁に古い「全国駒ヶ岳カレンダー」の17山の図が貼ってあり、うれしく思いました。

懐かしい「駒ヶ岳友好連峰」のタイトル

 18日(日)4時には明るくなって、小鳥の声もしていますが、風と雨!
 6時半の朝食後8時には出発の予定でしたが、またもや待機。
 データ放送の雨雲の画像をにらんでいると少しずつ南下しています。風は吹いても雨が落ちなくなったのを見て出発。昨日と同じ道を登って、行かれるところまでいくことにしました。
 昨日は気づかなかったコバイケイソウがにょきっと伸びています。昨日の最高地点を越していくと風でガスが吹き飛ばされて周りがだんだん見えてきました。雲が切れて青空も、正面に稜線も見えるようになりました。

駒の池に向かう分岐。ここからが秋田駒ヶ岳の風です。ガスってるし、戻ろうか躊躇してましたら、生方さんの行こうの一言で背中を押されました。

 大焼砂の分岐あたりは猛烈な風で、腰を低くして風に抗って進みますが、力尽きそうなところで、つぼみを付けたコマクサの株とタカネスミレが見られ始めて引かれるままに進んでいきました。そして、あの夢にまで見たムーミン谷の雪渓と、チングルマの大群落が見えてきました。

チングルマの群生地。素晴らしい。

ここからガスが取れてムーミン谷が見えました。

 ヒナザクラ、出たばかりのショウジョウバカマ、雪解けから梅雨時までの季節が凝縮されたような場面が展開していました。かたがりの泉、また少し進んで駒池が見られ、雪渓の融けた水を集めています。周りの山の形も少しずつ見えてきました。さすがに日曜日で、きょうは子供連れ、学生たち、若い人もかなり来ています。皆感動の嵐。
 木道でおやつを食べてUターン。帰り道どんどん天気が良くなりました。今まで見えなかった田沢湖や女岳、深い森が見えて、やっと秋田駒ヶ岳の姿を、目の当たりにできました。

駒池

青空も見えて左奥に田沢湖
 2日とも天気に悩まされながらも歩けたし、それぞれの念願もかなえられました。
 6月の秋田駒はすばらしかった!!
  素晴らしい山旅でした。