藤田 輝己
一週前の11月23日は祝日の「勤労感謝の日」でした。
「勤労感謝の日」とは、「勤労を尊び、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」と言う趣旨で制定された国民の祝日です。
以前は「新嘗祭・にいなめさい」と言う祭祀に由来し、「新」は新穀、「嘗」は奉る、舌の上にのせて味を試すという意味で、「新嘗」はその年に収穫された新穀を神様に奉って恵みに感謝し、口にすることを表しています。
単に五穀豊穣に感謝するにとどまらず、種籾の選定や田んぼの土壌作りから収穫に至るまでに関わる、多くの人たちの働きが有っての豊作なので、その労働にも感謝しつつ、神様の恵みに感謝するお祭りです。
新嘗祭の歴史は古く、日本書記には飛鳥時代に行ったと言う記録が有るそうです。
新嘗祭が「勤労感謝の日」になったのは1948年で戦後のGHQ占領政策によって改定されました。
農耕民族である日本人が、主食で有るお米からお酒を醸し、神饌の一つとして御神酒を神様にお供えし、神様の霊の宿った御神酒を厄除けや、御利益としていただく事は太古の昔からの儀式の一つです。
御神酒は神様にお供えするときは「ごしんしゅ」、お供えし下されたお酒は「おみき」と呼ぶそうです。
ここ2~3年、日本酒専門店の店頭において、この「勤労感謝の日」に合わせて、「日本酒ヌーボー」と称して新酒の予約販売を行うお店が増えました。
これは、新嘗祭の謂われを知る酒造会社の策略かもしれませんが、美味しい出来たての新酒を提供してくれることは左党にとっては嬉しいことですね。
この、勤労感謝の日に予約入手した「豊醸感謝祭」新酒のレポートをします。
今年はこの3本を予約しました。
(左より)福島県、埼玉県、広島県産の蔵元よりの日本酒ヌーボー
福島県 榮川酒造(株) 「會津龍が沢」 純米大吟醸 うす濁り生原酒
「會津龍が沢」 純米大吟醸のレシピラベル
「帝松」 純米大吟醸のレシピラベル
広島県 榎酒造(株) 「鳳の舞」 純米大吟醸 無濾過 生原酒
「鳳の舞・AGEHA no MAI」のレシピラベル
「豊醸感謝祭」としての特別醸造の新酒です。
どれも今でしか飲めない新酒で感激でした。
3.11東日本大震災以来、福島県内の蔵元は色々な賞を獲得する程の破竹の勢いで美味しいお酒を造っていますので、福島のお酒、どれを飲んでも優等生で合格点です。
お酒も、お米も「頑張れ福島!」で応援しています。
侮れないのが、中国地方山陰・山陽共に有名な蔵元が一杯有ります。
有名銘柄は省略しますが、広島県の蔵元のお酒はこれから「目が離せない」蔵元が一杯です。
12月に入り、新酒を求めて神奈川の蔵元巡りも始まります。
おまけ;ボージョレ・ヌーヴォーが、11月の第3木曜日に解禁になった理由は、23日と言うように日にち指定にしてしまうと、当日が休日になってしまった場合にワイナリーや流通業者、出荷先の店舗が休みとなり、売り上げが減少してしまうために、平日の第3木曜日と固定すると流通や販売がスムーズになると言うことで、1985年に設定した様です。