北村 健治
青梅市・羽村市・福生市・瑞穂町にまたがる一帯に西東京工業団地が広がっています。日々散策のコースは、その北西部分をよく歩くことが多くなりました。
旧東芝青梅工場の跡地(野村不動産の物流センターとなった)が含まれています。
この一帯は、かつて武藏野の西のはずれではありますが、広大な里山(コナラ・イヌシデ・クリ・クヌギ・ケヤキ・ムクノキなど)であったり、第二次大戦後は、養蚕業を支えた桑園として耕されていたようです。
また、地下の砂利が良質であり、盛んに掘り出されて、建設骨材として搬出されていました。自宅の地下も2mも掘ると、旧多摩川の礫層が出てきます。そんなわけでありますから、工業団地のなかを歩きますとところどころに、工場用地の一角として、僅かながらの里山要素をある草木が観察できます。
カゾノキ(楮の木:和紙原料になるヒメコウゾは、このくわ科の植物を改良したもの言われています)の若木です。
工場の垣根に自生するホタルブクロウ。色は白から紫までありますが、最近、濃青紫の外来種の栽培種(八重咲もある)がよく植えられています。
自宅に移植した駒ヶ根産の、ホタルブクロウです。後ろにキンシバイ(金糸梅)が咲いています。多少野生化していますが、中国産で江戸時代に伝来したそうです。
道路・公園、工場の垣根などでよく見かける、ヨウシュヤマゴボウです。北米産ですが、日本では雑草です。色素原料として利用したが、今は使用禁止です。
シモツケ、落葉低木で普通淡い紅色の花を散房状ににぎやかに咲かせる、本州以西から中国大陸(ヒマラヤ)まで分布し、樹形、花色に変異が多い。よく植栽される。