清水川 修
40年ほど前に山岳部の先輩を荒沢岳で亡くしております。当時27歳くらいで日電山岳部員だった人です。
3日、登山口の伝之助小屋に宿泊しました。素晴らしい温泉です。
伝之助小屋全景
翌日は雨でしたが少し晴れたので前山まで登りました。前山は標高1,091mです。三角点を墓標の代わりにして盃を2個置き、りんごジュースをお供えして供養しました。
前山の三角点(三等三角点「石滝」)
ふたたび雨が強くなったので戻りました。降りしきる雨の中、ほととぎすが鳴き続けていました。
荒沢岳詠歌
ほととぎす鳴きつる方を見渡せば越の峰々山風ぞ吹く
亡き人を見しと告げしか荒沢の山ほととぎす声をつくして
ほととぎすの涙も凍る荒沢の雪の深さはいかばかりなる
ほととぎすの涙か雨か杣人の袖濡れ帰る炉辺のけぶりや
日暮しの雨こそ忍べほととぎす汝の説く偈を救いとぞせむ
古今和歌集、恋歌の巻頭歌です。先輩にはこんな恋をしてほしかったと思いました。
ほとゝぎす鳴くやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな