平井 英明
先日、木本さんから、「山の中腹で「図根点」なる標識が設置されているのを確認したが、何のためのものか知りたい」との問い合わせをいただいていました。
不十分ではありますがブログを通じ、皆さんに概要を説明させていただきます。
添付された写真
これを見ると、四角柱の一面に「図根」他の一面に「山」の刻みがあり、上面には十字が彫られている石製のものです。おそらく、三角点と同じ花崗岩で作られたものです。
さて、図根点とは、地図を作る際にその地域全体の地図の精度を保つため、あらかじめ設置され、測量により座標や標高が求められた点をいいます。
公益社団法人 全国国土調査協会刊行の「地籍調査の手引き」より抜粋
この例では金属製の標識ですが、一般的に、地籍調査の際に行う地籍測量で求まる「地籍図根三角点、地籍図根多角点、細部図根多角点、細部図根点など」を総称して図根点と言っています。
公益社団法人 全国国土調査協会刊行の「地籍調査の手引き」より抜粋
これらの点は、国土地理院の設置した三角点等(今は主にGPSを基にした電子基準点)を基準に地球上の位置が求められています。
そして、これら図根点を基に道路(公共用地)と個人との土地の境(筆界)の詳しい地図(地籍図)や面積(地積)などが求められますので、大事な点となります。
木本さんの見た図根点は山に設置されており、森林管理のため、山の地籍図(地図)を作成するために設置されたものと思われます。過去には御料局、現在は林野庁等により設置されたものと思われます。
詳細については以下のHPが参考になります。
国土交通省の地籍Web http://www.chiseki.go.jp/ などを参考にしてください。